書店やネットでよく見る人気の占いには、それぞれ独自の名前が付いています。
- 細木数子さん・細木かおりさんの「六星占術」(土星人、大殺界…)
- ゲッターズ飯田さんの「五星三心占い」(イルカ座、鳳凰座…)
- 水晶玉子さんの「オリエンタル占星術」(○○宿)
- 木下レオンさんの「帝王占術」(あまてらすさん、竜神さん…)
- 下ヨシ子さんの「流生命」(水流生、光流生…)
独自の名前が付いていても、その多くは、昔からある占いを土台にしています。
この記事では、人気の占い師の占いがどの伝統の占いをもとにしているかと、どこにその人ならではの工夫があるかを見ていきます。公式サイトや本に出ている結果を、伝統の占いの計算と照らし合わせて確かめました。
この記事のポイント
- 人気の占い師は、主に伝統の占いを基本にしている
- 独自なのは、覚えやすい名前と、それぞれの経験や考えから書かれた説明
- 流生命のように、伝統とは別の成り立ちの占いもある
5人の占いと、その土台
書店やテレビで名前をよく見る、人気の占い師5人を取り上げます。
| 人 | 占いの名前 | 土台になっている占い |
|---|---|---|
| 細木数子・細木かおり | 六星占術 | 算命学(空亡・天中殺) |
| ゲッターズ飯田 | 五星三心占い | 算命学・四柱推命 |
| 水晶玉子 | オリエンタル占星術 | 宿曜(すくよう) |
| 木下レオン | 帝王占術 | 四柱推命 |
| 下ヨシ子 | 流生命 | 特になし |
六星占術(細木数子・細木かおり)
どんな占い?
- 生年月日から、土星人・金星人・火星人・天王星人・木星人・水星人の6つの「星人」と、プラス・マイナスを出す。合わせて12タイプ
- 運気は12年で回り、そのうち3年の「大殺界」は、新しいことを始めるのを避けたい時期とされる
- 創始者は細木数子さん(2021年に亡くなった)。今は娘の細木かおりさんが継承者として、年ごとの運勢の本を書いている
6つの星人は「空亡」のグループ
六星占術は、「大殺界」という言葉で広く知られる占いです。
六星占術の6つの星人は、生まれた日の干支で決まります。60の干支を10ずつに分けたまとまりで、算命学の天中殺(六星占術では空亡と呼ぶ)のグループと同じです。
| 星人 | 空亡(天中殺) |
|---|---|
| 土星人 | 戌亥 |
| 金星人 | 申酉 |
| 火星人 | 午未 |
| 天王星人 | 辰巳 |
| 木星人 | 寅卯 |
| 水星人 | 子丑 |
- プラスとマイナス = 生まれた年の十二支が陽か陰か(年の区切りは1月1日)
- 6つの星人 × プラス・マイナスで、12タイプ
大殺界と霊合星人
- 運気は12年で回り、それぞれの年に「種子」「緑生」…「減退」と名前が付いている
- いちばん注意が必要な大殺界は「陰影」「停止」「減退」の3年。そのうち「停止」が、空亡の年にあたる。プラスの人は、マイナスの人より1年早くずれる
- 霊合星人は、生まれた年が、自分の「停止」の年にあたる人。公式の結果も、この決まりどおりに出ている
空亡(天中殺)の2年を注意の時期とするのは算命学と同じです。六星占術は、空亡の2年に1年を足した3年を「大殺界」としてまとめ、12年すべての運気に名前を付けて、だれでも自分の年回りが分かる形にしました。
五星三心占い(ゲッターズ飯田)
どんな占い?
- 生年月日から、羅針盤座・インディアン座・鳳凰座・時計座・カメレオン座・イルカ座の6つの星座と、金・銀を出す。合わせて12タイプ
- 毎年9月ごろ、タイプ別に12冊の年運の本が出る
- 年・月・日の運気に「幸運」「乱気」「裏運気」などの名前が付いていて、いつ動くとよいかが分かる作り
「命数」と12タイプ
五星三心では、生年月日から1〜60の「命数」を出し、そこから12タイプが決まります。
- 10の位(6つの星座)= 生まれた日の干支を10日ずつに分けたまとまり。算命学の天中殺のグループと同じ
- 1の位(5つの欲×陰陽)= 四柱推命の通変星。生まれた日の十干と、生まれ月の十二支から決まる
- 金と銀 = 生まれた年の西暦が偶数か奇数か
| 星座 | 命数 | 天中殺 |
|---|---|---|
| 羅針盤座 | 1〜10 | 戌亥 |
| インディアン座 | 11〜20 | 申酉 |
| 鳳凰座 | 21〜30 | 午未 |
| 時計座 | 31〜40 | 辰巳 |
| カメレオン座 | 41〜50 | 寅卯 |
| イルカ座 | 51〜60 | 子丑 |
本に載っている「3つの命数」も、同じ部品でできています。生まれた年・月・日の十二支から、それぞれ通変星を出したものです。
運気の12年と「裏運気」
五星三心の運気は、12年で決まった順番に回ります。
- いちばん注意が必要な「乱気」「裏運気」の2年は、天中殺の2年と重なる(銀の場合)
- 金は1年早くずれる。このずらし方は、六星占術のプラスとマイナスと同じ
- 月の運気・日の運気も、同じ12の順番を、月と日の十二支で回している
よい日の名前(幸運・開運など)には、この計算だけでは説明できない入れ替えがあります。ここには、五星三心ならではの決まりがありそうです。
五星三心の「日の干支で6つ×金と銀=12タイプ」「12年の運気」「金は1年早い」「年の区切りは1月1日」は、上の六星占術と同じ形です。五星三心は、そこに通変星(5つの欲)を足しています。
性格の説明は、本人の経験から
計算の骨組みは伝統どおりですが、性格の説明は、伝統の解説をなぞったものではありません。
- 7万人以上を無料で占ってきた経験から生まれた占い(本人談)
- 6つの星座の性格を、天中殺の伝統的な解説と比べると、重なるのはイルカ座(子丑)など一部。多くは伝統の解説にない、本人ならではの言葉
- 5つの欲は、通変星の意味を、ふだんの言葉に言い換えている
伝統の骨組みに、たくさんの人を占ってきた経験で肉付けしているところが、五星三心の独自の部分です。
オリエンタル占星術(水晶玉子)
どんな占い?
- 生年月日から、27の「宿」(本命宿)のどれかを出し、性格や運気を読む
- 空海が中国から持ち帰った宿曜経と、そのもとになったインド占星術を合わせた占いとされている
- 相性を見るのが得意で、相性占いに特化している
- 毎年、1年の運気と日ごとのメッセージを載せた「開運暦」が出ている
本命宿は宿曜の計算
オリエンタル占星術では、生年月日から27の「宿」のどれかが決まります。宿の出し方は、伝統の宿曜と同じです。
- 生年月日を旧暦に直す
- 旧暦の毎月1日の宿が決まっている(正月は室宿、2月は奎宿、3月は胃宿…)
- そこから1日に1つずつ、27の宿を進める
閏月の生まれや、旧暦の月の変わり目の生まれも、この計算どおりです。
「インド占星術をミックスした」と紹介されることがありますが、宿の決め方は、月の実際の位置で決めるインド式ではなく、日本の宿曜で伝わってきた旧暦の方法です。
相性と年の運気
- 相性:自分の宿から数えて「命・栄・衰・安・危・成・壊・友・親」と9つずつ回し、10番目を「業」、19番目を「胎」と呼ぶ。宿曜の「三九の秘法」そのまま
- 年の運気:「成就」「挑戦」「安定」などの名前は、その年の宿(2025年は柳宿、1年に1つずつ進む)と、自分の宿の三九の関係で決まっている
年の運気の名前は独自のものです。もとの「成・危・安…」という漢字一文字を、「成就」「挑戦」「安定」のように、意味が伝わる言葉に置き換えています。
性格の説明も、経典がもとになっている
宿曜の経典(宿曜経)には、宿ごとに「この宿に生まれた人は…」という性格の文があります。これと公式サイトの27宿の性格の説明を読み比べると、はっきり重なるところがあります。
- たとえば角宿は、経典に「手先が器用」、公式にも「とても手先が器用」とある
- 宿ごとに重なり方を比べると、偶然では説明しにくいくらい、その宿の経典の内容が説明に出てくる
そのうえで、経典にない恋愛や今の暮らしの話が、たくさん書き足されています。古い経典の言葉を、今の人が読める形にしているのが、オリエンタル占星術の工夫です。
帝王占術(木下レオン)
どんな占い?
- 生年月日から、あまてらすさん・竜神さん・おふどうさんなど、神さまや仏さまの名前の付いた12の「帝王サイン」を出す
- 四柱推命・九星気学・神通力をもとに、帝王学と仏教の考えを合わせたオリジナルの占い(本人談)
- 毎年、年運の本が出ていて、テレビ番組「突然ですが占ってもいいですか?」にも出演している
12の帝王サインは「十二運」
帝王占術では、生年月日から12の「帝王サイン」が決まります。
この帝王サインは、四柱推命の十二運(生まれた日の十干から見た、生まれた日の十二支の強さ)と対応しています。
| 十二運 | 帝王サイン |
|---|---|
| 長生 | 竜神さん |
| 沐浴 | 風神さん |
| 冠帯 | おしゃかさん |
| 建禄 | おふどうさん |
| 帝旺 | あまてらすさん |
| 衰 | えびすさん |
| 病 | 弁天さん |
| 死 | 雷神さん |
| 墓 | 大黒さん |
| 絶 | ガネーシャさん |
| 胎 | 大仏さん |
| 養 | おじぞうさん |
(ガネーシャさんだけは結果で確かめられていないので、残った「絶」に当てています)
十二運のいちばん強い段階は「帝旺」です。「帝王」という名前は、ここから来ていると思われます。
十二運には「病」「死」「墓」のように、そのままでは怖く聞こえる名前もあります。帝王占術では、それがすべて神さまや仏さまの名前になっていて、どのサインも親しみやすく感じられます。
10年ごとの「帝王大運」
結果には、10年ごとに変わる「帝王大運」も出てきます。これは四柱推命の大運(10年ごとの運)に十二運を当てたものです。
ほとんどは伝統の計算どおりですが、一部の人は大運の進む向きが逆になっていて、ここは独自の決まりがあるのかもしれません。
「九星気学」「神通力」も土台だと紹介されています。これらがどこに使われているかは、無料で見られる結果からは分かりませんでした。
流生命(下ヨシ子)
どんな占い?
- 生年月日から、水流生・光流生・火流生など10の「流生命」を出し、男女で分けて20タイプ
- 毎年「あなたの流生命」という本が出ている
- 本では、タイプごとの1年の運勢に加えて、本人が霊視で読んだ、その年の日本と世界の出来事の予知も載っている
本人の説明
流生命は、ほかの4つとは成り立ちが違います。
- 「神様から告げられて編み出した、独自の福運術」(公式アプリより)
- 下ヨシ子さんは、44歳のときに原因不明の高熱を出し、六字明王に出会って霊能力者になった。真言六字密教の寺、六水院の開祖(著者紹介より)
流生命の出し方
- 生まれた年・月・日の、それぞれの末尾の数字を足す
- 足した数の末尾(0〜9)で、10の流生命が決まる。男女で分けて20タイプ
- たとえば1990年5月15日生まれなら、0+5+5=10で、末尾は0
| 数 | 流生命 |
|---|---|
| 0 | 水流生 |
| 1 | 光流生 |
| 2 | 火流生 |
| 3 | 奏流生 |
| 4 | 地流生 |
| 5 | 天流生 |
| 6 | 風流生 |
| 7 | 空流生 |
| 8 | 海流生 |
| 9 | 気流生 |
この出し方だと、10の流生命は、どれもほぼ同じ人数(1割ずつ)に分かれます。
伝統の占いとのつながり(推測)
ここからは推測です。
- 計算:知られている伝統の占いの出し方とは違う。たとえば数秘術は、生年月日の数字を全部、1桁になるまで足していく(1〜9)。九星気学の本命星は、生まれ年の数字から出す。流生命は、年・月・日の末尾だけを使い、0もある
- 名前:水・火・地・風・空の5つは、密教で世界をつくる要素とされる「五大」(地・水・火・風・空)と同じ字。下さんの寺は密教の流れなので、名前はそこから来ているのかもしれない(字が同じというだけで、確かめてはいない)
計算は伝統の占いから借りたものではなく、本人の説明どおり、独自のものと言えそうです。そのうえで、名前には密教の言葉との重なりが見えます。
推測
5人をくらべて
ここからは推測です。
流生命をのぞく4つは、どれも伝統の占いの基本の部品を土台にしていました。
- 六星占術:空亡(天中殺)のグループと、空亡の2年(「大殺界」は、そこに1年を足した六星占術の呼び名)
- 五星三心:天中殺と通変星(算命学・四柱推命)
- オリエンタル占星術:宿曜の本命宿と三九の秘法
- 帝王占術:四柱推命の十二運と大運
どれも、それぞれの占いで最初に習うような基本の部品です。どの人も、伝統の部品から基本のものを選び、覚えやすい名前と自分の言葉の説明を付けています。専門の知識がなくても使える形にしたところが、それぞれの工夫です。
ただ、伝統との距離には差があります。
- オリエンタル占星術は、性格の説明まで経典に近い
- 五星三心は、性格の説明に本人の経験が強く出ている
流生命だけは、計算が伝統の占いから来ておらず、本人の説明する「神様から告げられたもの」という成り立ちです。
なお、どの伝統を土台にしているかと、当たるかどうかは別の話です。
まとめ
- 六星占術:6つの星人は空亡(天中殺)のグループ。空亡の2年に1年を足した3年を「大殺界」と名付けた
- 五星三心:六星占術と同じ形。6つの星座は算命学の天中殺、5つの欲は四柱推命の通変星。性格の説明は、7万人以上を占ってきた本人の経験から
- オリエンタル占星術:宿は旧暦で決める宿曜の計算。相性と年の運気は三九の秘法で、性格の説明も経典がもとになっている
- 帝王占術:12の帝王サインは四柱推命の十二運。十二運の一つひとつに、神さま・仏さまの名前が付いている
- 流生命:本人は神様から告げられたものと説明している。計算は伝統の占いとは違う独自のもので、名前には密教の「五大」と同じ字が並ぶ
- 人気の占いの多くは、伝統の部品に、覚えやすい名前と自分の言葉の説明を付けて、誰でも使える形にしたもの、と言えそうです。土台の占いを知ると、どの占いを見ても仕組みが分かりやすくなります
それぞれの土台の占い(算命学・四柱推命・宿曜)の全体像は、占いの種類を地図にするにまとめています。
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