九星気学(きゅうせいきがく)は、9つの星で性格や運気、方角の吉凶を見る占いです。
カレンダーや手帳の「一白」「五黄」といった文字や、「今年の吉方位」の話で見かけたことがある人も多いと思います。
この記事では、
- 9つの星の正体
- 星がどう動くか
- 自分の星(本命星)の出し方
- 吉方位・凶方位の決まり方
- どこから来た占いか
を順に見ていきます。
この記事のポイント
- 9つの星は空の星ではなく、「洛書」という3×3の魔方陣の数字
- 星は年・月・日ごとに決まった順で場所を入れ替え、方角の吉凶が変わる
- 今の形にまとめたのは、明治の終わりから大正のころの園田真次郎
9つの星
星は次の9つです。それぞれに、木・火・土・金・水の「五行」が割り当てられています。
| 星 | 読み | 五行 |
|---|---|---|
| 一白水星 | いっぱくすいせい | 水 |
| 二黒土星 | じこくどせい | 土 |
| 三碧木星 | さんぺきもくせい | 木 |
| 四緑木星 | しろくもくせい | 木 |
| 五黄土星 | ごおうどせい | 土 |
| 六白金星 | ろっぱくきんせい | 金 |
| 七赤金星 | しちせききんせい | 金 |
| 八白土星 | はっぱくどせい | 土 |
| 九紫火星 | きゅうしかせい | 火 |
「星」と呼びますが、空に見える星や惑星とは関係ありません。正体は、次に出てくる魔方陣の数字です。
もとは「洛書」の魔方陣
九星のもとは、1〜9の数字を3×3に並べた図です。この図は「洛書(らくしょ)」と呼ばれています。
- 縦・横・斜め、どの列を足しても15になる
- 1〜9を1回ずつ使う3×3の魔方陣は、回したり裏返したりしたものを除くと、この形しかない
- 数字の並びそのものは、中国の漢の時代の本にもう出てくる
この並びを後天定位盤と呼びます。一白は北、九紫は南…と、それぞれの星の「ふるさと」の方角になっています。
「洛書」はもともと伝説の名前
洛書は、もとはめでたいしるしの伝説です。禹(う)という王が洪水を治めたとき、洛水という川から亀が現れ、その背中に模様があった、というお話でした。
数字の並びが「洛書の図」として描かれるようになったのは、ずっと後の宋の時代からです。
洛書が数字の図になるまで
- 古い本:『易経』に「河(黄河)は図を出し、洛(洛水)は書を出す。聖人これにのっとる」とある。どんな図かは書かれていない
- 漢の時代:黄河から出た龍馬の背の「河図」を見て伏羲が八卦を作り、洛水から出た亀の背の「洛書」をもとに禹が国を治める9つの原則を作った、という話が広まる
- 宋の時代:学者たちが白と黒の点の図を描き、9までの数の図を「洛書」とした。最初は、この図を「河図」と呼ぶ学者もいた。朱熹(朱子)が自分の本に載せて、この形が定着した
- 清の時代:学者たちが、宋の図は昔からあったものではなく、後の時代に作られたものだと論じた
星は決まった順に動く
九星気学では、真ん中に入る星が入れ替わると、ほかの星も決まった順番で場所を移します。
年ごとに1つずつ下がる
真ん中の星は、年ごとに1つずつ数字が下がります。
| 年 | 真ん中の星 |
|---|---|
| 2024年 | 三碧 |
| 2025年 | 二黒 |
| 2026年 | 一白 |
| 2027年 | 九紫 |
一白の次は九紫に戻るので、9年でひと回りします。
真ん中の星が決まると、ほかの星は、洛書の数字の順(5→6→7→8→9→1→2→3→4)と同じ道すじで、数字を1つずつ増やしながら並びます。
2026年の盤
2026年は一白が真ん中なので、こうなります。
年・月・日の盤がある
- 年盤:1年ごと。立春(2月4日ごろ)で切り替わる
- 月盤:1か月ごと。二十四節気の「節入り」(立春・啓蟄・清明…)で切り替わる。月の星も1つずつ下がり、3年でひと回り
- 日盤:1日ごと。冬至のころから夏至のころまでは数字が1つずつ上がり、夏至のころから冬至のころまでは下がる
カレンダーに載っている九星は、この日盤の星です。
本命星の出し方
生まれた年の年盤で、真ん中にいた星が本命星です。性格や運気を見るときの、その人の星になります。
- 年は立春で切り替わるので、1月1日〜2月3日ごろに生まれた人は、前の年の星になる
- 生まれた月の盤で真ん中にいた星は月命星。内面に出やすいとされる
計算で出す
西暦の生まれ年から、次の手順で出せます(立春より前に生まれた人は、前の年で計算します)。
- 西暦の各けたの数字を足す。1けたになるまで足し続ける
- 11からその数を引く。答えが本命星の数字(10なら1=一白)
たとえば1990年生まれなら、1+9+9+0=19、1+9=10、1+0=1。11−1=10 → 一白水星です。
ポイント
自分の本命星が真ん中に入る年は「八方塞がり」と呼ばれます。2026年なら一白の人です。引越しなど大きな動きは控えるという説が多い一方で、努力が実る年とする本もあり、読み方は分かれています。
吉方位と凶方位
方角の吉凶は、その年(月・日)の盤で、どの星がどの方角にいるかで決まります。
吉になる方角
自分の本命星と相性のよい星がいる方角です。相性は五行で見ます。
- 相生(そうじょう):生み出す関係。木→火→土→金→水→木
- 比和(ひわ):同じ五行どうし
たとえば三碧(木)の人なら、木を生む水(一白)、木が生む火(九紫)、同じ木(四緑)の星がいる方角が候補になります。
誰にとっても凶の方角
| 名前 | どこか |
|---|---|
| 五黄殺 | 五黄がいる方角 |
| 暗剣殺 | 五黄の反対の方角 |
| 歳破 | その年の十二支の反対の方角 |
月盤では月破、日盤では日破と呼びます。
人によって変わる凶の方角
| 名前 | どこか |
|---|---|
| 本命殺 | 自分の本命星がいる方角 |
| 本命的殺 | 本命星の反対の方角 |
2026年の例
2026年は午年で、五黄が南にいます。
- 南:五黄殺
- 北:暗剣殺。午の反対なので歳破も重なる
三碧の人なら、さらに西(三碧がいる)が本命殺、東が本命的殺です。残った方角のうち、四緑のいる北東と九紫のいる南東が吉方位になります。
どこから来た占い?
中国で生まれ、陰陽道で日本へ
- 九星の考え方は古代中国で生まれた。辞典によると、文献に初めて出てくるのは漢の時代
- 日本には陰陽道(おんみょうどう)に取り入れられて伝わり、室町時代から流行した
- 江戸時代には、九星で方角や家相を見る本も出ている。たとえば松浦琴鶴の『家相秘伝集』(1840年)
まとめたのは園田真次郎
- 明治の終わりから大正のころ、園田真次郎(1876〜1961)が、それまでの九星の方位術をもとに、わかりやすい形に整理して「気学」と名づけた
- いつまとめたかは資料によって分かれ、1909年(明治42年)とするものと、1924年(大正13年)とするものがある
- その後、一般に広まり、今は「九星気学」と呼ばれることが多い
今も、高島暦などの暦には九星が載っています。
流派で分かれるところ
基本の盤の作り方はどの流派もほぼ同じですが、使い方には違いがあります。
- 旅行で見る盤:日帰りや1〜2泊を日盤で見るか月盤で見るか、年盤をいつから見るか(3泊から・7泊を超えたらなど)が分かれる
- 一部の凶方位:定位対冲(星が自分のふるさとの反対にいる方角)を凶とするかどうか。気にしない流派、南北だけ気にする流派、すべて凶とする流派がある
- 方角の測り方:遠い場所の方角を、地図の上の直線で測るか、地球の上の最短ルートで測るか(くわしくは方角は地図で変わる)
奇門遁甲とはどう違う?
奇門遁甲も、同じ洛書の9マスを使う方位の占いです。ただ、
- 九星気学は生まれ年の星で人ごとに吉方位が変わる。奇門遁甲は、同じ時間なら誰でも同じ盤
- 九星気学は年・月・日の盤。奇門遁甲は2時間ごとの盤
- 九星気学の盤にいるのは9つの星だけ。奇門遁甲は、星のほかに門・神・干を重ねる
くわしくは奇門遁甲とは?で書いています。
まとめ
- 9つの星は、空の星ではなく、洛書という3×3の魔方陣の数字
- 真ん中の星は年ごとに1つ下がり、ほかの星も決まった順で動く。2026年は一白が真ん中
- 吉方位は、本命星と五行の相性がよい星の方角から、五黄殺・暗剣殺・歳破・本命殺・本命的殺を除いたもの
- 中国から陰陽道で伝わり、明治の終わりから大正のころに園田真次郎が「気学」としてまとめた
自分の本命星や今年の運勢は、九星気学のページで生年月日から見られます。吉方位は九星気学の吉方位で、日程や行き先から調べられます。
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