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鬼滅の刃の階級は「十干」。甲から癸まで、占いではどんな意味?

公開 2026.10.13 読む目安 約7分

鬼滅の刃で、炭治郎・善逸・伊之助が最終選別を通って最初にもらった階級は「癸(みずのと)」。いちばん上は「甲(きのえ)」で、その上に煉獄杏寿郎や時透無一郎たち柱がいます。

この甲・乙・丙……の10文字は「十干(じっかん)」といって、四柱推命や算命学、九星気学の暦にも出てくる、占いの基本の文字です。この記事では、作中の階級と占いの十干を並べてみます。

この記事のポイント

  • 鬼殺隊の10の階級は、甲から癸までの「十干」そのまま
  • 十干は、木火土金水の5つを「兄(え)」と「弟(と)」に分けた10個
  • 占いの十干には上下がなく、順番にめぐるだけ。2026年は丙

鬼殺隊の階級は、十干そのまま

鬼殺隊の階級は10段階。上から順に、十干の並びと同じです。

階級読み五行
甲きのえ木の兄
乙きのと木の弟
丙ひのえ火の兄
丁ひのと火の弟
戊つちのえ土の兄
己つちのと土の弟
庚かのえ金の兄
辛かのと金の弟
壬みずのえ水の兄
癸みずのと水の弟

十干は「5つ × 兄と弟」

読み方を見ると、「きのえ・きのと」「ひのえ・ひのと」と、2つずつペアになっています。

つまり、甲(きのえ)は「木の兄」、癸(みずのと)は「水の弟」。5つの五行を兄と弟に分けて、10個になっています。

水の呼吸を習った炭治郎の最初の階級が、「水」の干の癸だったのは、ちょっとおもしろい偶然です。

十干を、木・火・土・金・水の5つの列と、兄(陽)・弟(陰)の2つの段に並べた図。木の兄が甲(きのえ)、木の弟が乙(きのと)、火の兄が丙(ひのえ)、火の弟が丁(ひのと)、土の兄が戊(つちのえ)、土の弟が己(つちのと)、金の兄が庚(かのえ)、金の弟が辛(かのと)、水の兄が壬(みずのえ)、水の弟が癸(みずのと)。鬼殺隊の階級はこの順に、甲が1番上、癸が10番目
鬼殺隊の階級は、この図を左上から縦に読んでいく順番です
十干は、もとは「日の名前」

十干は、中国の殷(いん)の時代に、10日でひと回りする日の名前として使われていました。10日間のことを「旬(じゅん)」といい、今の「上旬・中旬・下旬」にもこの言葉が残っています。

木火土金水と結びついたのは、ずっと後の漢の時代です。そのあと十二支と組み合わせて、年や日を「甲子」「丙午」のように呼ぶようになりました。

甲・乙・丙…の字には、どんな意味がある?

「みずのえ」「みずのと」という読み方を見ると、「水の兄」を表すために「壬」という字が作られたように思えます。でも実は、漢字のほうが先です。

殷の時代から日の名前として使われていた字に、あとから五行と兄・弟が割り当てられ、日本で「みずのえ」のような読み方が付きました。ちなみに「えと(干支)」という言葉も、この兄(え)と弟(と)から来ています。

では、甲・乙・丙…の字そのものには、どんな意味があるのでしょうか。漢の時代の歴史書『漢書』には、1文字ずつこんな説明があります。

  • 甲:芽が殻を破って出る
  • 乙:曲がりながら、ぐいぐい伸びる
  • 丙:明るく、はっきり現れる
  • 丁:大いに盛ん。一人前に育つ
  • 戊:豊かに茂る
  • 己:筋道が整う
  • 庚:引き締まって、改まる
  • 辛:すべてが新しくなる
  • 壬:内に宿す
  • 癸:測れるようになる

甲から癸まで通して読むと、芽が出て、育ち、茂り、実って、また次を宿す、という植物の一生のように読めます。炭治郎たちは「次を宿す」癸から始まって、「明るく現れる」丙までのぼったことになります。

ただし、これは漢の時代の人が後からつけた意味づけです。字のもとの成り立ちは、甲が「芽が殻をかぶった形」か「兜をかぶった人」かなど、学者の間でも説が分かれています。

大正時代、十干は「ランク」の文字だった

鬼滅の刃の舞台は大正時代です。このころの日本では、十干は順位や等級をつける文字としてふつうに使われていました。

「一番、二番」と同じ感覚で「甲、乙」が使われていたわけです。大正の組織が階級に十干を使っているのは、時代の空気に合っています。ただ、作者がなぜ十干を選んだのかを説明した発言は、見つけられていません。

今の暮らしにも、このランクの使い方は残っています。

占いの十干には、上も下もない

ここが、鬼殺隊と占いのいちばん大きな違いです。

鬼殺隊では甲が上、癸が下でした。でも占いの十干は、甲から癸まで順番にめぐるだけで、どれが偉いということはありません。癸の次はまた甲に戻ります。

たとえば四柱推命の解説では、同じ水でも壬(水の兄)は海や川、癸(水の弟)は雨や露にたとえられます。炭治郎がスタートした癸も、階級なら一番下ですが、占いではただの「水の性質」です。

奇門遁甲は「甲を隠す」占い

十干は、方位を見る奇門遁甲にも出てきます。奇門遁甲では、いちばん尊い「甲」を盤にそのまま置かず、ほかの干の下に隠して数えます。これが「甲を遁(かく)す」=遁甲の名前の由来とされます。

同じ「占術とアニメ」のNARUTOの八門遁甲の記事で、奇門遁甲の八門を紹介しています。

十二鬼月の「上弦・下弦」は月の名前

鬼の側の十二鬼月にも、暦や天文の言葉が使われています。上弦の壱〜陸、下弦の壱〜陸の「上弦・下弦」は、半月の名前です。

月の言葉としては、こういう意味です。

月の満ち欠けを左から新月、上弦、満月、下弦の順に並べた図。上弦は新月から満月へ満ちていく途中の半月で右半分が光り、下弦は満月から新月へ欠けていく途中の半月で左半分が光る
半月を弓に見立てると、上弦は沈むときに弦(つる)が上になります

月そのものに上下はありませんが、作中では上弦が上位、下弦が下位です。無惨が「下弦は弱い」として下弦の鬼たちを始末する場面もありました。夜に生きる鬼の位に月の名前を使い、「上・下」の字で強さを分けているのかもしれません。

まとめ

今年が丙午になった理由や、60年に一度の干支の話は、丙午(ひのえうま)の記事で読めます。

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