紫微斗数(しびとすう)は、中国で生まれた占いです。
四柱推命と並ぶ中国の代表的な「命術」(生まれた日時で、その人の性格や一生を読む占い)で、今は台湾などでとくに盛んです。
生まれた年・月・日と時刻から「命盤」という表を作り、人生を12の分野に分けた「宮」に星を並べて読みます。
この記事では、次のことを順に見ていきます。
- 紫微斗数のしくみ
- 12の宮と14の主星
- 自分の命宮の主星の出し方
- 時期の読み方と、四柱推命との違い
- 紫微斗数の歴史
この記事のポイント
- 生年月日と生まれた時刻から、12の宮に14の主星を並べた「命盤」で読む
- 星の名前は北斗七星・南斗六星などからとり、置く場所は暦から計算する
- いちばん大事なのは命宮で、そこに入った主星が性格の中心になる
紫微斗数のしくみ
名前の「紫微」は、中国の古い天文学で、北極星を中心にした星の集まり「紫微垣(しびえん)」のことです。天帝の住む場所とされました。
紫微星を中心に多くの星を使い、人の運命(数)をはかる(斗る)ことから、紫微斗数と呼ばれます。
空の星の位置は使わない
紫微斗数の星は、北斗七星や南斗六星などから名前をとっています。ただし、命盤に置く場所は生年月日と時刻から暦で計算し、空の実際の星の位置は使いません。
このような星は「虚星(きょせい)」と呼ばれます。西洋占星術やインド占星術が、生まれたときの実際の天体の位置を計算するのとは、ここが大きく違います。
命盤のつくり
- 外まわりの12のマスには、十二支が決まった位置で並びます左下が寅で、時計回りに卯・辰・巳…と続きます
- 生まれた月と時刻で、どのマスが「命宮」になるかが決まります
- 命宮から反時計回りに、兄弟宮・夫妻宮・子女宮…と12の宮が続きます
- 14の主星は、旧暦の生まれた日などから計算して、マスに入れます
命盤には、14の主星のほかにも補助の星を並べます。使う星の数は流派で違い、多いと100を超えます。
命宮と主星の置き方
古典『紫微斗数全書』に書かれている手順です。月は旧暦で数えます。
- 寅のマスを1月として、時計回りに生まれた月まで数えます
- そのマスを子の刻として、反時計回りに生まれた刻(2時間ごとの十二支)まで数えます止まったマスが命宮です
- 同じマスから時計回りに数えて止まったマスが、身宮(しんぐう)です
- 生まれ年の十干から、各マスの十干を決めます命宮の干支の納音(なっちん)で「五行局」が決まります(水二局・木三局・金四局・土五局・火六局)
- 五行局の数と、旧暦の生まれた日から、紫微星のマスが決まります
- 残りの13の主星は、紫微星と天府星から決まった間隔で並びます
閏月に生まれた人は、次の月の生まれとして数えると書かれています。
12の宮
12の宮は、人生の分野を12に分けたものです。命宮から順に、次の12があります。
- 命宮:本人の性格、才能、考え方
- 兄弟宮:きょうだいとの関係
- 夫妻宮:結婚相手、どんな人と結ばれやすいか
- 子女宮:子どもとの縁
- 財帛宮:お金の運
- 疾厄宮:体質や健康
- 遷移宮:外での活動、旅行や移動
- 交友宮:友人や部下との関係(奴僕宮とも)
- 官禄宮:仕事(事業宮とも)
- 田宅宮:家や土地、家庭
- 福徳宮:心の安定、趣味
- 父母宮:親や目上の人との関係
知りたいことに合わせて、その宮に入った星を読みます。たとえば結婚なら夫妻宮、仕事なら官禄宮です。いちばん大事なのは命宮で、恋愛やお金を見るときにも、命宮の星がいつも関わってきます。
もう1つの自分「身宮」
命宮とは別に、「身宮」という宮もあります。身宮は独立したマスではなく、命宮・夫妻宮・財帛宮・遷移宮・官禄宮・福徳宮のどれかに重なります。
どれに重なるかは、生まれた月と時刻で決まります。人生の後半に強く働く、という見方が多い宮です。
14の主星
命盤に並ぶ星のうち、いちばん大事なのが14の「主星」です。
『紫微斗数全書』は、紫微星を「中天の尊星で、帝座」、「多くの星の中心」と書いています。14の主星の中心に立つ、帝王の星です。
命盤では、14の主星が2つのグループに分かれ、それぞれ決まった間隔で並びます。
- 紫微から並ぶ星:紫微・天機・太陽・武曲・天同・廉貞の6つ
- 天府から並ぶ星:天府・太陰・貪狼・巨門・天相・天梁・七殺・破軍の8つ
1つのマスに2つの主星が入ることもあれば、1つも入らないマスもあります。2つ入ったときは、2つを合わせて読みます。
14の主星の意味
星の性質は、『紫微斗数全書』の書き方と、日本の解説で多く使われている言い方をまとめました。
- 紫微品があり、人の上に立つ帝王の星
- 天機頭の回転が速く、よく気がつく参謀の星
- 太陽明るく、まわりを照らす光の星
- 武曲決断が早く、お金に縁がある将軍の星
- 天同おだやかで、人当たりがよい福の星
- 廉貞頭が切れ、負けず嫌いな戦略の星
- 天府どっしりと安定し、面倒見がよい蔵の星
- 太陰感受性が豊かで、やさしい月の星
- 貪狼多才で、人づきあいがうまい魅力の星
- 巨門話がうまく、探究心が強い言葉の星
- 天相まじめで、気配りがうまい補佐の星
- 天梁面倒見がよく、頼りになる棟梁の星
- 七殺勇気があり、ひとりでも進む戦士の星
- 破軍行動的で、変化を好む改革の星
同じ星でも、どの宮に入るか、どの星と並ぶかで読み方が変わります。
命宮の主星の出し方
生年月日と生まれた時刻を入れると、命宮の主星と、14の主星を並べた命盤が出ます。
01
命宮の主星
生年月日と時刻を入れると出ます
02
旧暦と五行局
紫微星の位置を決める数
03
身宮
もう1つの自分の宮
- 時刻は日本時間で入れてください
- 命宮は2時間ごとに変わるので、時刻が分からないと出せません
- 旧暦は、日本の旧暦で計算しています
- 中国の旧暦とは月の始まりの日が1日ずれる月があり、その月の生まれは命盤が変わることがあります
- 23時台に生まれた人は、翌日の子の刻として数えています
- 閏月に生まれた人は、日本で多い数え方にそろえて、15日までは同じ月、16日からは次の月として数えています
- 出生地の経度による時刻の直し(東京なら約19分進める)はしていません。生まれた時刻が刻の変わり目に近い人は、ツールで出生地を入れて確かめてください
もっと詳しく:副星・四化・10年ごとの大限・1年ごとの流年まで出すなら、紫微斗数のツールへ。閏月などの数え方も切り替えられます。
命宮に主星がないとき
命宮に14の主星が1つも入らない命盤もあります。これを「命無正曜(めいむせいよう)」と呼びます。
そのときは、向かいの遷移宮の主星を借りて読むのが一般的です。上の計算でも、命宮に主星がないときは、遷移宮の星を出しています。
時期の読み方
命盤は一生変わりません。その上に、時期ごとの運を重ねて読みます。
- 大限10年ごとの運
命盤の宮を10年ずつ順にたどります - 流年1年ごとの運
大限のたどる向きは、生まれ年の陰陽と男女で決まります。『紫微斗数全書』では、陽の年の男性と陰の年の女性は時計回り、陰の年の男性と陽の年の女性は反時計回りです。
四化:4つの星の変化
生まれ年の十干によって、4つの星に「化禄・化権・化科・化忌」という変化がつきます。
- 化禄:豊かさ、福
- 化権:力、主導権
- 化科:名声、評価
- 化忌:気をつけて見る所
たとえば甲の年に生まれた人は、廉貞が化禄、破軍が化権、武曲が化科、太陽が化忌になります。
四化を、宮ごとの十干からも出して、宮と宮のつながりを読む「飛星派」という流派もあります。
生まれ年の十干と四化の表
『紫微斗数全書』の「安禄権科忌四星変化訣」によります。年干は生まれ年の十干です。文昌・文曲・左輔・右弼は、14の主星ではない補助の星です。
| 年干 | 化禄 | 化権 | 化科 | 化忌 |
|---|---|---|---|---|
| 甲 | 廉貞 | 破軍 | 武曲 | 太陽 |
| 乙 | 天機 | 天梁 | 紫微 | 太陰 |
| 丙 | 天同 | 天機 | 文昌 | 廉貞 |
| 丁 | 太陰 | 天同 | 天機 | 巨門 |
| 戊 | 貪狼 | 太陰 | 右弼 | 天機 |
| 己 | 武曲 | 貪狼 | 天梁 | 文曲 |
| 庚 | 太陽 | 武曲 | 太陰 | 天同 |
| 辛 | 巨門 | 太陽 | 文曲 | 文昌 |
| 壬 | 天梁 | 紫微 | 天府 | 武曲 |
| 癸 | 破軍 | 巨門 | 太陰 | 貪狼 |
庚と壬の年は、本や流派によって星が違います。庚は化科と化忌が太陰と天同で入れかわる本があり、壬の化科を天府ではなく左輔とする本もあります。
四柱推命との違い
紫微斗数と四柱推命は、どちらも生年月日と時刻を使う中国の命術です。ただし、命式の作り方と、読むものが違います。
- 月の区切り四柱推命は、二十四節気の節入りで月を区切ります
紫微斗数は、旧暦の月をそのまま使います - 読むもの四柱推命は、年・月・日・時の干支の8文字を読みます
紫微斗数は、12の宮に並んだ星を読みます - 分野の分け方紫微斗数は、結婚・お金・仕事などが、はじめから別々の宮に分かれています
2つをあわせて使う占い師もいます。
紫微斗数の歴史
紫微斗数は、陳希夷(ちんきい)が作ったと伝えられています。陳希夷は五代から宋の初めの道士・陳摶(ちんたん)のことで、華山に住み、宋の皇帝から「希夷先生」の号を受けました。ただし、本当に陳希夷が作ったのかは、確かめられていません。
- 明の時代「紫微斗数」の名前が年代つきで確かめられる最も古い本は、1581年の『紫微斗数捷覧』です
よく読まれている『紫微斗数全書』には1550年の日付の序文がありますが、今に残る版はそれより新しいものです - 20世紀中国・香港・台湾に広まる中で、星の読み方のちがいから、いくつもの流派に分かれました
- 日本国立国会図書館の目録では、1971年の日本語の本があり、1980年ごろから入門書が続けて出ています
紫微斗数のおもな流派
大きく分けると、次のような流派があります。
- 三合派:古典の星の組み合わせ(格局)を中心に読む
- 飛星派:宮ごとの十干から四化を飛ばし、宮と宮のつながりを読む
- 中州派:香港の王亭之(おうていし)が広め、香港・マカオで影響が大きい
- 欽天四化:四化と、星が自分の宮で変わる「自化」を中心に読む
日本でも、飛星派や欽天四化の本が出ています。
まとめ
- 命盤で読む占い:生年月日と生まれた時刻から、12の宮に14の主星を並べた命盤を作って読む、中国の代表的な命術です
- 星は暦から置く:星の名前は北斗七星や南斗六星などからとっていますが、置く場所は暦で計算し、空の実際の位置は使いません
- 命宮がいちばん大事:命宮に入った主星が性格の中心になり、主星がないときは向かいの遷移宮の星を借りて読みます
- 時期は重ねて読む:10年ごとの大限、1年ごとの流年、生まれ年の四化を、命盤の上に重ねて見ていきます
まずは上の計算で、自分の命宮の主星を出してみてください。生まれの干支から見る四柱推命の命式は、四柱推命で出せます。
大限・流年・四化まで見るなら、紫微斗数のツール
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